THE APPEAL AND FUTURE PROSPECTS OF BEING A DATA SCIENTIST

奈村取締役 : 旅館がDXですか。旅館は宿泊者台帳の記入が義務付けられており、永年の宿泊顧客データが存在し、リピーターの嗜好やアレルギーなどの情報が蓄積されているという話は良く聞きますね。

西郷先生  : そうなんですよ。また更にクラウド型顧客管理システム「陣屋コネクト」では、顧客情報や予約状況を一元管理し、リピーターのお客様には以前の記録をもとにスムーズな対応が可能です。このシステムの魅力は、システムに情報を入力すると全システムに反映され、全員に共有されることです。お客様が到着されたら、アルバイトや新入社員のタブレットにも共有され、お客様の名前をお呼びしてお迎えできます。お食事の好みやアレルギー情報も厨房と共有され、きめ細やかな心遣いが可能です。客室の清掃確認や食材の在庫管理も一元化でき、適切な経営判断が可能です。このシステムを他の旅館やホテルにも販売し、新たなビジネスモデルを構築しています。これこそがDXの成功事例だと思います。

奈村取締役 : まさしくDXそのものですね。既存の仕組みからデジタルを活用して大幅に業務を効率化。また旅館業なのに、自社用に作成したシステムを他社に販売するというのは、新たなビジネスモデルとして興味深いですね。

西郷先生  : 以前勤めていた航空関係企業では、エンジンの整備をしていた人が人事異動でシステム部門に配属され、Pythonを学んでいました。現場を理解した上でシステムを構築できるのは大変な強みになります。

特に地方都市圏の中小企業では、システム担当やベンダー業者だけでなく、全社員が共通の課題として考えるべきだと思います。

奈村取締役 : 金融機関もシステム産業であり、現場とシステムは両輪で、現場を理解している方が、システムがわかり、自社の技術がわかるというのは、その方の強みになりますね。