今後の日本が向かうべき社会であるSociety5.0を実現するためには、地域のスマート化による地方創生や地域企業のイノベーションが必須とされています。これらはさまざまなビッグデータをAI・データサイエンス・情報通信技術を駆使して知識化しロボット等で自動化・高度化することで実現可能とされていますが、これはDX(デジタルトランスフォーメーション)がデジタル社会を支える鍵であるということに他なりません。このデジタル化の流れは、ポストコロナの社会で加速すると予想されています。

 政府はAI戦略2019で、未来への基礎作りとして教育改革を掲げ、それに向けた取組みとして、デジタル社会の「読み・書き・そろばん」である「数理・データサイエンス・AI」の基礎教育だけでなく、社会人に対しても基礎的DX知識とAI実践的活用スキルを習得する機会の提供を大学に求めています。

 こうした状況を踏まえ、周南公立大学では情報科学分野の基礎的教育の取組みを始めており、文科省から「数理・データサイエンス・AI教育プログラム」のリテラシーレベルと応用基礎レベルの認定を受けています。さらに、地域におけるDX教育の開発と普及、地域企業との連携による研究力の強化を推進するために、その拠点となる「地域DX教育研究センター」を2022年9月に設置しました。

 本センターでは、①周南公立大学および周南圏域の企業・行政機関に対してDXの実践的活用スキルを習得する機会を提供し、②企業・行政機関の保有するビッグデータを用いた共同研究を通して新たな手法の開発や研究領域の拡大、さらに新商品や新たなビジネスモデルを構築するためのイノベーションを創出することを目的とします。

 地域の皆様には本センター設置の主旨をご理解いただき、引き続き更なるご支援をお願い致します。

センター長 野村 典文