ACTIVITIES OF THE SAIKYO BANK REGIONAL DX COLLABORATIVE RESEARCH PROGRAM
奈村取締役 : 周南公立大学は2024年4月に情報科学部を新設しました。これに先立ち、2022年10月より西京銀行は周南公立大学に「西京銀行地域DX共同研究講座」を設置し、周南圏域を中心としたDXの推進と地域の課題解決を目的に活動しています。
これまで、シンポジウムやセミナーの開催、経済団体や個別企業、高校生向けの出前講座などを実施し、DXの普及活動を行ってきました。この活動の一環として、昨年7月に周南圏域(周南市・下松市・光市)の企業172社を対象に企業が抱える課題やDXの取り組み状況についてアンケートを実施し、89社から回答をいただきました。
アンケート結果は周南公立大学のHPにも掲載しておりますが、課題として「新規採用」「従業員の高齢化による技術の伝承」「業務の効率化」「コスト改善」を挙げる企業が多く、DXの取り組み状況は「ホームページの活用」「保存文書の電子化」「オンライン会議」などにとどまっています。各企業とも、DXの必要性は認識しているものの、高度なデジタル技術の活用まで踏み込めていないことが明らかとなり、DX推進における課題として「社内にITやDXにかかわる人材の不足」を挙げる企業が多数を占めていました。
周南公立大学は情報科学部を設置し、多様なデジタル人材の輩出を目指していますが、そのデータサイエンティストのトップランナーでもある西郷先生に、データサイエンティストの業務内容や働き方、やりがいなどを教えていただけますでしょうか。
西郷先生 : なるほど、「西京銀行地域DX共同研究講座」は1年半の活動の中で、そのような発見があったわけですね。それでは、私のネット企業や航空運輸業でデータサイエンティストとして働いた経験から、お話をさせていただきます。
データサイエンティストの魅力は、データドリブンな意思決定を通して、企業の収益向上や社会問題の解決に貢献できる点です。データ分析や機械学習のシステムを通じて、レコメンドシステムなど、ビジネスに直接的なインパクトを与えることもできます。
西郷先生 : また、データサイエンスは金融、マーケティング、製造、医療介護など、多種多様な産業で必要とされるスキルであるため、活躍の場が広いです。AIや機械学習などの最先端技術を活用して、新しい価値を創造できることも、この職業の魅力の一つです。
奈村取締役 : 将来性はどうでしょうか?
西郷先生 : はい、デジタル化が進む中、データサイエンティストやデータの専門家の需要はますます高まっています。データ解析、統計学、プログラミングといったスキルはどの業界でも役立つため、データサイエンティストとしての経験を活かして新しい業界へ転職することも可能です。さらに、データエンジニアやAIリサーチャー、データ部門の組織長など、様々なキャリアパスが考えられます。
データサイエンティストは、社会の変化を捉え、最先端の技術を活用しながら、イノベーションを起こしていく力を持った存在です。そのやりがいと将来性は非常に高く、今後もますます注目される職業と言えるでしょう。