
道山 知成 助教
データで「観る」宇宙
担当予定科目:
線形代数
実践英語(数学)
多変量解析
大規模データ分析
専門分野:
天文学、宇宙物理学
受験生へ一言
教育は共同作業です。教員陣は、皆さんと協力して学び、成長することを楽しみにしています。皆さんが学びたいことや達成したい目標に向けて、私たちは専門知識と経験を提供し、共に進化します。周南公立大学情報科学部を「創る」最後のピースは、入学する学生の皆さんです。
先生に聞いてみました!
どんな研究をされていますか?
私の専門は、天文学です。古代から夜空の星々を観察し、その観察から宇宙の謎に迫る学問として発展してきました。つまり、物理学とデータサイエンスの融合により、新たな宇宙の秘密に迫る学問です。現代の天文学研究は、宇宙物理学の知識を土台に課題を設定する一方で、膨大な天体観測データを活用し、統計学の要素を組み合わせて未知の領域に挑戦しています。私たちは観測データを徹底的に分析し、超巨大ブラックホール、超新星爆発、銀河衝突などのダイナミックな宇宙の解明に取り組んでいます。特に、南米チリのアタカマ砂漠に位置する「アルマ望遠鏡」(写真)の観測を専門として研究しています。
以下のウェブサイトで詳しく解説しています。
https://www.asj.or.jp/jp/activities/geppou/item/115-1_6.pdf
https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2023/20230302_1

なぜそうした研究に関心を持たれたのですか?
せっかく大学に行くなら、かっこいい研究をやってみたいと思い、気がついたら天文専攻にいました。根っからの星好きというわけではありません。そして、天文学をやっていたら、情報科学の知識が勝手に身についていました。
授業では何を担当されていますか?先生の授業の強みを教えてください。
主に数学関連科目を担当します。
まず、数学は情報科学の言語としての役割を果たします。数学的な表現は、情報科学の中でアイデアや問題を明確に伝えるための強力な道具です。数学を極めることで、複雑な概念や問題を論理的かつ正確に捉え、深く分析するスキルを磨くことができます。
さらに、数学は情報科学のアルゴリズムと計算の基盤です。アルゴリズムの設計や最適化、計算複雑性を理解するためには、数学的な思考が不可欠です。これにより、データの効率的な処理や難解な問題の解決に挑む力を養うことができます。
また、数学はデータの解析やモデリングにおいても欠かせません。数学を使って、データから価値ある情報を引き出し、意思決定が可能となります。データ分析に欠かせない「数学」を徹底的に伝授します。
数学を真剣に学び、実践で活用できる人材を目指しましょう。
情報科学部で天文学の研究ができますか?
Yes!と答えたいところですが、天文学の研究には「物理学」の知識が必要不可欠です。「天文データの解析手法開発」等を情報科学部での研究として扱います。私の夢は、情報科学部においても天文学の研究がますます広がり、日本中にその基盤が確立されることです。というのも、物理学の知識がデータ分析において偏った見方を与えてしまうこともあり、情報科学の素養なしでは天文学が成立しない時代になっていると考えるからです。
ただし、私の研究室に所属したからといって、必ず「天文データ」を使う必要があるというわけではありません。地域貢献の研究課題も開拓しています。統計学を駆使した大量のデータ解析に自信があるので、皆さんの興味や関心に合わせて、一緒に楽しく研究したいと考えています。