
土屋 敏夫 教授
感性を使って製品をデザインする
担当予定科目:
ヒューマンコンピュータインタラクション
感性情報処理
データ分析基礎
認知・感性とデータ分析
計算機概論
周南Well-being創生論
専門分野:
情報工学、感性工学、人間工学
受験生へ一言
受験勉強頑張ってください。
先生に聞いてみました!
どんな研究をされていますか?
現在は、主に感性的インタフェースの研究をしています。製品が使いやすくなるようにインタフェース(操作方法など)をデザインする研究です。
家電製品のリモコンを例にとると、ボタンの大きさや配置などが適切にデザインされていないと、使う時に苦労したり操作を間違えたりします。これを使いやすいようにデザインするのですが、感性的インタフェースの研究とは、使いやすいに加えて使っていて楽しいデザインを人間の感性を分析することで実現する研究です。視覚、聴覚、触覚などをデザインしてそのようなインタフェースをデザインします。
写真は自動車の運転席のプロトタイプを使って、車載システム(カーナビなど)の感性を調べる実験をしているところです。


なぜそうした研究に関心を持たれたのですか?
もともと感性工学という製品のデザイン手法があって、その研究をしていました。インタフェースの研究はユーザビリティ(使いやすさ)を追求する研究が主になりますが、それに加えて使っていると「楽しい」や「嬉しい」という感情が湧くようなインタフェースが良いインタフェースとされています。この分野に感性工学を応用することを考えました。
授業では何を担当されていますか?先生の授業の強みを教えてください。
「ヒューマンコンピュータインタラクション」、「感性情報処理」など
「ヒューマンコンピュータインタラクション」では、製品のインタフェースについて学びます。プロトタイプを使ったり、実際の製品のユーザビリティを評価したりします。収集した評価データは、いろいろな分析手法を使って分析し結果をまとめます。プロトタイピングは実際のモノづくりを疑似体験できるのでワクワク感が得られる講義だと思います。「感性情報処理」では感性工学による製品デザインに欠かせない情報処理の手法を学びます。「かっこいい」や「美しい」などの感性が、製品デザインとどのように結びついているか調べます。デザイナーになった気分で色々なデザインを考えてみてください。
感性工学を学んでどのような職業に応用できますか?
感性工学のベースはプロトタイピングなどを利用した評価実験、それと統計や機械学習を利用したデータ分析になります。いずれも製造業やサービス業で必要になりますので応用範囲は広いと思います。サービス業で感性工学の製品開発技術が応用できるというのは意外に思われるかもしれません。最近では、UX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザー体験)という言葉がよく使われていて、製品やサービスを通してユーザーが感じる使いやすさ、感動、印象といった体験を意味します。製品をデザインするのと同時にUXをデザインすることで、ユーザーに喜ばれる製品を作る手法です。感性工学を使うことで、ユーザーの感性を計測・分析してUXデザインに生かすことも可能になります。