
内田 善彦 教授
担当予定科目:
フィンテック・ブロックチェーン
実践英語(情報)
数値解析
シミュレーション
情報ネットワークとセキュリティ
専門分野:
金融論、金融工学
受験生へ一言
新しい知識を得ることは、年齢によらず楽しいことです。学ぶ楽しさを共有できれば、と思います。
先生に聞いてみました!
どんな研究をされていますか?
元々は、金融行政(主として銀行監督)をやっていました。今は、経験を活かしつつ、ブロックチェーンの金融経済活動への活用について研究しています。
ヤップ島の石貨をご存知でしょうか(写真1)。これは南太平洋の島で実際に使われていた貨幣ですが、皆さんから見れば、過去の遺物ですね。実は、ブロックチェーンを用いて運用される貨幣は最新の技術を用いますが、基本的な考え方は石貨と同じです。温故知新?新しい技術なのに面白いと思いませんか。
さらに、ブロックチェーンをうまく活用できれば、日本円もUSドルも近い将来に過去の遺物になるかもしれません。みなさんの次の世代の方々は、皆さんがレコードを見たことがないように、現金や財布を見たことがなくなるかもしれません。みなさんの世代はこうした大きな変革の中心世代です。技術を学んで新しい時代を創る楽しさを、精一杯エンジョイしてください。
(写真1)

なぜそうした研究に関心を持たれたのですか?
日本円を考えます。皆さんは日本円を受け取る時、何を根拠に「安心して」日本円を受け取るのでしょう。貨幣の根源は、「今受け取って、将来使える」という信念にあると考えられます。日本円の場合、この信念は日本銀行と日本国政府の存在に裏打ちされていて、例えば金(gold)と交換されるから、というものではありません。世界のほとんどの国の通貨も同様です。
この信念を、(制度とか法律とかによらず)情報通信技術を使って、市民一人ひとりの損得勘定を上手い形で見える化することで創ることができれば、それは新しい通貨となり得ます。
日本銀行に29年以上働いていましたが、自分達が守ってきた通貨と同等以上の機能を持つ通貨が全く違う方法で実現される時代が来そうな気がして、ならば、その変化の最先端に身を置きたいと考えて、今の研究をしています。
授業では何を担当されていますか?先生の授業の強みを教えてください。
フィンテック・ブロックチェーンに関する授業をします。私は金融の制度面も、経済学も、数学も、情報科学も学んできましたので、技術の活用について、多面的な視点から解説できます。さらに、私自身がブロックチェーンを活用する事業を行っておりますので、「今現場で起こっていること」を手触り感を持って解説できます。解説だけでなくて、新しい技術をハンズ・オンで実際に使ってみて、体験するお手伝いもできます。さらに、もし、皆さんの中に、自分の技術を事業化したいという人が居れば、事業化のお手伝いも可能です。
そういう意味では、技術の理解、技術の活用、収益化及び、これを取り巻く社会的要請をトータルに扱う授業を心かけていますが、なかなかこんな授業ありませんよw
先生の授業は難しいし、厳しいと聞いたのですが、本当のところはどうでしょうか。
はい。その通りですwww
難しいことを簡単にすることはできません。ただし、分かりやすく説明することは(教員の努力次第ですが)可能です。難しいという評判と、分からなかったという評判は別のものです。
また、難しいことを分かりやすくするためには、誰でもわかるところから噛み砕いて説明する必要がありますから、完遂するためには相応の時間がかかります。
現実的に見れば、時間をかけて復習をしてきた学生さんもいるし、何もしてこない学生さんもいます。教員の立場から見た時、どういう学生さんに寄り添うべきか、いつも悩みます。だって、バイトも遊びも学生生活の大切な一部分であるし、知識の習得だけではバランスが悪いですから。そこで、私は、教室で一番時間をかける人に合わせて授業を組み立てます。一部の学生からは厳しい、と映るかもしれませんが、そんなことないですwww単位は取れます。ただ、学びたい学生さんの知的好奇心を満たさないことはしたくないです。一方で、教室の学生全員が学期中にすべてのことをマスターできなくても、立派な社会人になって頂ければ問題ありません。
なお、授業以外に多くの時間を割く学生さんには、遠い将来に「あの時、あんな授業があったな。しっかり勉強しておけばよかったな」と思い出してもらうというのも大切と思っています。もちろん、学びたくなったらいつでも大学に戻ってきていただいてOKです。これからは生涯学習の時代です。学ぶのは学びたくなった時で構いません。